2020年07月03日

2020年 第26週(6月22日~ 6月28日)

❖県内概況❖
 先週に引き続き、定点把握感染症の報告数は少ない状態で推移しています。
第 26 週も第 22 週(5 月 25 日~5 月 31 日)から引き続き、奈良県内での新型コロナウイルス感染症の報告はありませんでした。
破傷風が第 26 週に報告されました。
破傷風は、日本全国では年間 100 名ほどが罹患しており、奈良 県内での報告数は過去5年間、年に 0~3 件の間で推移しています。
破傷風は土壌中に広く存在する破 傷風菌が怪我などで傷ついた皮膚から侵入し産生する毒素の一つである神経毒素により開口障害、嚥 下困難、強直性痙攣などを引き起こす人獣共通感染症です。
1968 年の予防接種法によるジフテリア・ 百日咳・破傷風混合ワクチン(DTP)の定期予防接種化以降、日本国内での破傷風患者・死亡者の数は減少しておりますが、破傷風は依然として致命率が高いです。
DTP の予防効果は約 10 年であるため、 土いじり、農作業、工事に関わるような感染リスクの高い方は再接種を検討しましょう。
医療機関で は破傷風含有ワクチンの接種歴と傷の汚染の程度によって対応が異なりますのでワクチン接種歴を記 録した母子手帳などを保管しておきましょう。
また、ワクチン接種で予防可能な感染症は破傷風以外 にも麻疹、風疹など他にもあり、それぞれかかりやすい年齢を加味した適切なタイミングがあります ので遅らせずにきちんと接種しましょう。

✤第26週のトピックス✤
◆IASR 41(6), 2020【特集】デング熱・デング出血熱 2015~2019年
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【奈良県感染症情報センター(奈良県保健研究センター)より参照】
(2020年6月26日更新)